世界で起きた銀行強盗事件ワースト【3選】

海外で起きた銀行強盗事件の中でも、その規模や被害額の大きさを考慮してワーストといえるものを3つ厳選しました。事件の概要や結末を紹介します。

本記事で紹介する3つの銀行強盗事件

・ブラジル中央銀行強盗

・ダルエスサラーム銀行強盗

・フライデーナイト銀行強盗

ブラジル中央銀行強盗

トンネルから侵入

2005年、ブラジル中央銀行から1億5600万レアル(約80億円)もの大金が盗まれるという大事件が発生しました。事故現場の検証の結果、犯人グループは銀行から約80m離れた民家から銀行の地下にある金庫室までを結ぶトンネルを作り、そこから侵入したことが発覚。

その大胆な手口が話題を呼び、2011年に「Assalto ao Banco Central」というタイトルで映画化されています。

緻密な犯行計画

犯人グループが3ヶ月の歳月をかけて地下4mに建設した、長さ80m、幅70cmほどのトンネルには、電気や換気システムを設置されており、かなり精巧に作られていたとのこと。

また、地下金庫室のセンサーの電源がOFFになっていて正常に作動しなかった点、まるで金庫室の位置が分かっているかのようにトンネルが金庫室中央に終着していた点から、銀行内部に内通者がいるとみられています。

事件は完全解決に至らず…

この強盗は36人からなり、そのうち逮捕できたのは26人で、犯人グループの中には誘拐された者、複数の銃弾を浴びて殺害された者もいました。

また、盗まれた現金もまだ25億円しか回収できていないのが現状です。

サンパウロでも類似事件発生

2017年10月2日、サンパウロ警察は、市内にあるブラジル銀行の金庫と通じる長さ500mの地下トンネルを発見し、銀行強盗を未然に防ぎました。強盗団は、計画では10億レアルを盗み出す算段であったようで、もしこの銀行強盗が成功すれば、ブラジル史上最高額の強盗被害となっていたでしょう。

犯人グループは計20人に構成され、内16人は逮捕されましたが、残り4人は未だに捕まっていません。

ダルエスサラーム銀行強盗

369億円を強奪

2007年7月11日、イラクの首都バグダッドにあるダルエスサラーム銀行から約3億ドル(369億円)もの大金が盗まれるという事件が発生しました。

この強盗事件後、銀行の警備を行っていた3人の警備員の行方も分からなくなった事から、捜査当局はこの3人による犯行であると断定しており、彼らの行方を追っています。

事件の背景

イラクでは長らく内紛が続いており、電子決済機器が少なく現金支払いが主流であり、また、事件が起きた地域はバグダッド中心部の商業地区で、多額の現金が必要でした。

そのため、事件当時ダルエスサラーム銀行には369億円もの大金が保管されており、このような甚大な被害額となりました。

フライデーナイト銀行強盗

金曜日の完全犯罪

アメリカでは、毎週金曜日の閉店間際の銀行を狙った銀行強盗事件が1973年から度々発生しており、この一連の強盗事件は「フライデーナイト銀行強盗事件」と呼ばれていました。

この事件の特徴は、犯行時間が1分ちょっとと短いことと、逃走している犯人の目撃者の証言が得られないことが挙げられ、警察は全く犯人の足取りを掴めずにいました。

事件の転換期

最初の犯行から28年後の2001年のある日、森の中で遊んでいた少年達が、プラスチック製のパイプを発見。その中には60件もの銀行リストや地図等の他に、複数の拳銃も入っていたため警察に通報しました。

警察の調査の結果、押収された銀行のリストの中には、過去に銀行強盗に入られた場所がいくつかあり、これを所有していたのはフライデーナイト銀行強盗である事を突き止めました。

20年以上もの間捜査に行き詰っていた事件に関する手がかりを見つけたという事で、一度は事件から手を引いたFBIも再度フライデーナイト銀行強盗の特定に乗り出す。

FBIはすぐさま過去の犯行のデータからプロファイリングで犯人像を推定。そして今回押収した証拠品の一つ・「空手のビデオテープ」を元に空手道場を訪ね歩きプロファイリング結果と合致する男を探し出しました。

調査の結果、この男には前科があり、彼の指紋と押収された証拠品に付着した指紋が一致したことで犯人と断定、2002年にフライデーナイト銀行強盗の実行犯・グゲイジャンを逮捕し、この事件は幕を閉じました。

グゲイジャンの経歴

グゲイジャンは貧しい家庭で育ち、15歳の時に窃盗の罪で一度捕まっています。逮捕後は更生施設に送られましたが、そこで言われた「前科者はまともな職につけない」という言葉が深く心に突き刺さり、それが銀行強盗を犯すキッカケとなりました。

彼は大変優秀な学生で、高校卒業は軍隊に入隊、その後は難関のペンシルベニア大学で統計学を専攻し、後に統計学の博士号も取得しています。

強盗になった経緯

彼はある日、8万ドルを盗み出した銀行強盗の記事を読み、「統計を使えばもっと上手く強盗できるのではないか?」、「前科のある自分でもこれなら自分の力を発揮できるのではないか?」という感情が沸々と沸き上がり、銀行強盗になる事を決意しました。

彼は過去の銀行強盗の手口、銀行やその周辺の人通りなどを徹底的にリサーチし、統計学を駆使して最良の手口を導いています。だからこそ警察も全く手がかりを掴めずに29年間も逮捕されなかったのです。

また、金曜日の閉店間際を狙った理由も、詳細なリサーチによりその時間帯は客が少なく、銀行内の現金が多いという情報が導き出されたからだと語っています。

世界の銀行強盗【まとめ】

日本で起きた強盗事件での被害額の最高額は、立川6億円強奪事件の6億円程度ですが、世界には何百億円もの額を盗む猛者たちがおり、世界の銀行強盗犯たちは、盗み出す額が桁違いで驚かされます。

また、犯行の手口もトンネルを掘ったり、統計を駆使して緻密な犯行を計画したりと映画さながらでちょっとワクワクしちゃいますが、銀行強盗は犯罪ですので絶対に真似しないで下さいね。

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