日本の銀行強盗事件ワースト【4選】概要から結末まで紹介

日本国内で起きた銀行強盗の中でも、金額や話題性を基準に「ワースト」と呼べるものを4つ厳選して紹介します。

本記事で紹介する事件4つ

・福徳銀行5億円強奪事件

・三菱銀行人質事件

・関西銀行百済支店強盗事件

・琉球銀行若松支店強盗事件

福徳銀行5億円強奪事件

事件の概要

1994年に起きた、現金輸送車を狙った強盗事件。金融機関に限れば、この事件が日本で起きた強盗事件の中で被害金額が最も高額です。犯行は2人で行われ、一人は自殺、もう一人は海外に逃走し時効が成立しました。

犯行手口

実行犯の二人は、銀行員3名が現金5億4100万円の入ったジュラルミンケースを車から降ろしている最中に襲撃。拳銃のような物で脅迫し、行員を車に閉じ込め、ケースを乗ってきた車に詰めて逃走しました。

犯行に使われた車は盗難車で、犯行現場から600m離れた場所に乗り捨ててありましたが、そこからは犯人特定の情報は得られませんでした。

容疑者の特定

警察は、事件に使われた紙幣の記号番号と同じものが換金されたことと、ある会社員の男が知人に犯行をほのめかす供述をしたことより、犯人をその会社員の男と元暴力団員の男に絞り込むことに成功しました。

しかし、会社員の男性は事情聴取後に自殺、元暴力団員の男は海外に逃亡し、2002年4月1日に時効が成立。

この暴力団員の男は、2007年にも愛知信用金庫の西大須支店で強盗事件を働き、懲役8年を言い渡されましたが、5億円強奪事件については時効成立のため起訴されていません。

三菱銀行人質事件

1979年に三菱銀行北島支店で起きた立てこもり事件。犯人である梅川昭美は、強盗目的で猟銃片手に銀行に押し入り、客と銀行員合わせて30人以上を人質にし42時間籠城、最終的にSATの前身部隊・大阪府警察本部警備部第2機動隊により射殺。

この事件で、犯人、警察官、人質合わせて計5名の命が奪われました。

籠城までの流れ

梅川は閉店直前の銀行に、スーツ姿にハット、サングラス、マスクという出で立ちで、猟銃を持って強襲。銃弾を天井に向けて発砲し脅迫し、持ってきたリュックサックにお金を入れるように要求しました。

当初はすぐにその場を立ち去る予定だったと思われますが、銀行から逃げ出した客がパトロール中の警察に通報した事で事件が早く発覚し、銀行に立てこもる事になりました。

銀行内での悪行の一部

梅田は警官からの襲撃を避けるために、女性行員を自分の前に並ばせてバリケードを作ったり、冷静に振る舞うある一人の男性銀行員を生意気であるという理由で発砲したりとやりたい放題。

撃たれた男性は急所を外し無事でしたが、梅田が死亡を確認するために別の行員に撃たれた男性の耳を切り取る事を命じ、耳を切断されました。

耳を切り取られた男性は多量の失血で失神したものの、事件後の治療により無事一命をとりとめています。

梅田の前科

1963年に広島県大竹市で、当時23歳の女性が、金品の強奪を目的に刃物で惨殺されるという痛ましい事件が発生しました。実は梅田がこの「大竹市強盗殺人事件」の犯人であり、極刑もありうる罪状ではありましたが、15歳という事で少年法が適用され、1年半で出所。

立てこもり事件はこの15年後の起き、事件後は少年法の改正を求める声が高まりました。

関西銀行百済支店強盗事件

2003年6月9日、大阪府大阪市にある関西銀行百済支店に、作業着姿で顔をヘルメットとサングラス、タオルで隠した男が現れ、現金1930万円を奪い逃走。

事件後の警察の捜査では、犯人の足取りを掴む事はできませんでしたが、2009年に別件で逮捕された金聖治容疑者の指紋が、銀行強盗犯の指紋と一致した事を理由に逮捕しました。

犯行の手口

金容疑者は、作業員を装い「消火器の点検に来ました」と伝えて入店。店内に設置された消火器を手に取って窓口の女性にカバンを差し出し、お金を入れるように銘じ、奪ったお金を持って自転車でその場を後にしました。

消火器の指紋、途中で乗り捨てた自転車、犯行の様子を映した防犯カメラ映像といった証拠はありはしたものの、警察の捜査は難航しました。

逮捕までの流れ

銀行強盗事件から6年後の2009年、覚せい剤取り締まり法違反の容疑で逮捕された金聖春容疑者の指紋と、関西銀行で起きた強盗事件で使われた消火器に付着した指紋が一致した事を理由に警察は事件を再捜査。

捜査の結果、金容疑者は事件当時、消費者金融から350万円を借金していたこと、現場の銀行の近くに住んでいたことも分かり逮捕しました。

しかし、金容疑者は全く身に覚えがないと容疑を否認しています。

琉球銀行若松支店強盗事件

事件の概要

1968年7月5日、沖縄県那覇市にある琉球銀行若松支店で拳銃のナタを持った二人の男が押し入り、5万1500ドルを奪って逃走。

この事件の主犯格は元検察官で、現職の弁護士の男だった事もあり、世間に大きな衝撃を与えました。

犯行から逮捕まで

主犯の弁護士の男は、事件当時、女性に相当なお金をつぎ込んでいて、金銭的に苦しかったそうです。そこで、暴力団の普天間派の顧問弁護士を務めていた彼は、暴力団員に協力を仰ぎ、銀行強盗を行う事を決意。

当初、彼らは事件で使う凶器の軽機関銃を、那覇地方裁判所名護支部から盗んで調達しようと考えていましたが、それが叶わなかったのでナタと拳銃で犯行を行いました。

犯行から約1ヶ月後、ある暴力団員の羽振りが急に良くなったという情報から、犯行グループのメンバーは次々と逮捕。裁判の結果、主犯の弁護士には懲役13年、その他のメンバーには6~12年の判決となりました。

犯人特定に役立つ装置の導入を!【まとめ】

日本の場合、銀行強盗犯の手口は、凶器を持って銀行に押し入るという、オーソドックスな方法が多いようです。しかし、今回紹介した事例もそうですが、真正面から堂々と犯行しても意外と防ぐ手立てがないようですね。

2018年現在、銀行のセキュリティはさらに厳重になっていると思いますが、それでも銀行強盗件数を0にするのは難しいでしょう。そこで、大切になってくるのが、防犯カメラなど犯人を特定できるシステム。

あなたのお家もいつ強盗被害に遭遇するのかわかりません。もしものために犯人特定を手助けしてくれるようなシステムを導入してみてはいかがでしょうか。

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