サイコパスとは?意味・特徴・原因まとめ!

「サイコパス」について知られていることを分かりやすくまとめました。また、サイコパスが関わる過去の事件や、対処法、治療の可否も解説します。

サイコパスとは?

共感性の乏しい精神病質者

行動遺伝学者のデヴィッド・リッケンは、後天的ではなく、生まれながらにその人に反社会的な人格が備わっている場合をサイコパスと定義しています。

ただし、後天的な反社会的人格者(ソシオパス的人格)と明確に区別をせず、後天的に備わったものも含めてサイコパスと呼ぶ場合も多々あります。

サイコパスの定義

犯罪心理学者のロバート・D・ヘアは、以下の特徴を持った人がサイコパスであると述べています。

・良心が欠如している

・共感能力が乏しく冷酷

・度々嘘をつき、それを悪いとは思わない

・自身の行動に対する責任感がない

・罪悪感に苛まれる事がない

・自己肯定感が強く、自己中心的

・喋りが達者で表面的には魅力的

サイコパスの人口

サイコパスは全人口の1%、100人に1人の割合で存在しているといわれています。サイコパスと聞けば猟奇的殺人鬼をイメージする人も多いと思いますが、たしかに、囚人の内15~25%がサイコパスであるという報告があります。

しかし、経営者や政治家、外科医などもサイコパスである人の割合が高く、社会に貢献している人材もたくさんいらっしゃいます。

サイコパスの特徴

共感性が乏しく冷酷

心理学者のケヴィン・ダットンは、サイコパスの特徴として、「冷酷」、「無慈悲」、「自己中心的」、「環状欠落」、「結果至上主義」であると述べています。

以下で最新の研究で解明したサイコパスの特性も紹介しておきます。

意思決定が早い

2018年7月19日、京都大学の研究グループが、ハーバード大学とニューメキシコ大学との共同研究で、サイコパスは一般人に比べて嘘をつくまでの意思決定が早いという研究結果を発表しました。

この研究では、囚人にコイントスの結果を頭の中で予測させ、もし自分の予測が当たっていた場合はボタンを押して知らせて報酬を貰い、逆に間違っていたら報酬は没収されるというゲームを行いました。

この実験において、予測が当たっていたかどうかは自己申告なので、コイントスの正解確率2分の1より正答率が高いほど嘘をついた回数が多いという事になります。

従来は、サイコパスは共感性が乏しいので頻繁に嘘をつくと考えられていましたが、この実験では、サイコパスの度合いと嘘をつく回数との間に相関関係を見出す事ができませんでした。

一方、特に嘘をつく回数が多い被験者の場合、サイコパスの度合いが高いほど嘘をつくまでの意思決定時間が短いという結果が得られました。つまり、サイコパスの傾向が強い人ほど、心の中で葛藤せず反射的に嘘をつくことができるという事になります。

目先の利益ばかり考える

ハーバード大学の神経学者ジョシュア・バックホルツ氏らが行なった研究では、サイコパスの傾向が強いほど目先の利益を過大評価する事が分かりました。

この研究では、受刑者49人に対し、今すぐに少額の報酬を貰うか、それとも後で高額の報酬を貰うのかを選択するゲームを行いました。すると、サイコパスの度合いが高い人ほどすぐに報酬を貰おうとするという結果が得られました。

また、「目先の利益を過剰評価」し、「先にあるコストを無視」する傾向が強い受刑者ほど重大犯罪を犯しており、この2つ特性がサイコパスの反社会的行動に繋がっているのではないかとみられています。

サイコパスの原因

ノルウェー科学技術大学のアイナ・ガルホーゲン氏は、先天的要因だけでサイコパスになるのではなく、後天的な影響、特に家庭環境が子供の人格形成に大きな影響し、サイコパスが作り出されると述べています。

また、彼は、サイコパスである人の家庭環境について「子育ての方針」と「両親の性格」について以下の共通点があるとしています。

子育ての方針

ガルホーゲン氏によると、すべてのサイコパスは、親、または保護者からの虐待経験があるとのこと。身体的暴力はもちろん、親からの不干渉(ネグレクト)も虐待の一種であり、サイコパスの人達は、過酷な家庭環境を対応するために非情さを身に着けるのだと彼は主張しています。

両親の性格

サイコパスの両親、保護者は権威主義的で、必要以上に子供を縛り付け、子供自身の主体性を全く尊重しない傾向があり、その結果、子供は相手の感情を省みない非情な人間となってしまいます。

サイコパスの治療法はある?

今現在効果的な治療法はありません。基本的には望ましくない行動を改善する「行動療法」をメインに心理療法を行いますが、薬物療法という手段もあります。

ただし、薬物療法は反社会的行動の改善目的ではなく、それを引き起こす心の不安定さを緩和する目的で使用されます。

その他の治療法として、同じ境遇を持つもの同士で交流や、家族に対してのカウンセリングなどが提案されています。

サイコパス事件ファイル

殺人鬼ウェストリー

1993年1月5日、全米を震撼させた児童連続殺人事件の実行犯・ウェストリーの死刑が執行されました。彼は、2~12歳ののべ50人以上もの幼児、児童に性的暴行を行い、3人の少年を殺害しています。

生い立ち

ヴェストリーは、3人兄弟の長男として生まれましたが、両親は弟二人ばかり可愛がり、ヴェストリーに対してはネグレクト状態。そんな家庭環境で育った彼は、自分よりも小さく弱いものに対し性的興奮を抱くようになったという。

そして13歳の頃には、自分の性器を近所の子供たちの前で露出し、その行為は次第にエスカレート。成人した頃には町に出て子供を見つけては性的暴行を繰り返すようになっていました。

事件の詳細

ウェストリーは子供への性的暴行で何度も逮捕されていますが、被害者の親は事件の事を思い出させる事で子供のトラウマになる事を恐れたため裁判沙汰になる事が少なく、刑務所に送られた事は滅多になかったとのこと。

また、たとえ裁判になっても精神の病気を理由にカウンセリングを受けて直に釈放されました。彼は性的暴行をしても大して罪にならない事を知って、さらに強い快感を求めるようになり、子供を苦しませながら殺害したいという欲求が芽生えたという。


そして、1989年9月、公園で出会った2人の兄弟を脅して人気のない場所に誘い出し、20分間性的暴行を加えた後に殺害。

さらに翌年10月には、校庭で遊ぶ4歳の少年をさらい、自宅で紐で縛り上げ何日間にもわたり性的暴行を加え、その様子を写真に収め、ノートに記録しました。最終的には紐で首を縛り、苦しむ様子を撮影しながら殺害し、近くの湖に死体を遺棄しました。

あなたも狙われるかも…【まとめ】

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