映画の元ネタになった世界の事件【7選】失踪・誘拐・監禁など

小説や映画の脚本のアイデア元になった事件を7つ紹介します。アルフレッド・ヒッチコック監督による映画が多めです。

オリエント急行殺人事件(リンドバーグ事件)

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リンドバーグ事件(1932)

大西洋単独無着陸飛行に成功したチャールズ・リンドバークの息子(当時1歳8か月)が、3月1日、ニュージャージー州の自宅から誘拐された事件。

5万ドルの身代金を要求する旨が記載された紙が現場に残されていたため、捜査と身代金支払い・交渉が行われていましたが、5月12日にその自宅付近で遺体が発見されました。

身代金を使用したと見られる容疑者が存在し、死刑判決出て、1936年4月に執行されました。しかし、彼には疑われる要素も多くあった一方、アリバイもあり冤罪ではないかと言われています。

オリエント急行殺人事件(1934)

推理小説家のアガサ・クリスティが1934年に発表した小説。主人公のポアロがイスタンブールからイギリスへ向かう際に搭乗したオリエント急行で、殺人事件が起きます。

現場に残された手紙によると、殺害されたラチェットの正体は、アームストロング家という富豪の娘であるデイジー・アームストロングを誘拐して殺害した犯人だったとのこと。犯人には殺される理由があり、遺恨による殺人ではという疑惑から物語は進んでいきます。

アガサ・クリスティはオリエント急行を実際に利用したことがあり、劇中で述べられるデイジーの誘拐事件はリンドバーグ事件から着想を得たといわれています。同小説は映画化・ドラマ化もされています。

下宿人(切り裂きジャック事件)

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切り裂きジャック事件(1888)

1888年のイギリスで、8月31日から11月9日の間に、5名(少なくとも5名、他にも被害者がいるのではと推察されている)の売春婦がバラバラ遺体となって発見された事件。犯人は今も見つかっていません。

犯人と名乗るものからの手紙が新聞社へ届けられたこともありました。いたずらのものも含めて100通ほどあり、その中でも3つは偽物だと断定することはできない=本物だと考えられています。

事件の奇妙さと相まって「世界一有名な未解決事件」としても知られ、多くの作品でモチーフとして扱われています。

下宿人(1913)

1913年のMarie Adelaide Belloc Lowndesによる小説で、1927年にアルフレッド・ヒッチコックにより映画化(白黒のサイレント映画)。切り裂きジャックをモチーフとした作品の中でも最も古いといわれています。

アヴェンジャー(復讐者)と名乗るシリアルキラーが毎週火曜に美女を殺害する事件が話題となっているロンドン。そんな最中、デイジーという女性の母が経営する宿屋に、マフラーで顔半分を覆った黒ずくめの、いかにも怪しい青年が滞在する、果たしてその正体は...!?

ロープ(レオポルドとローブ事件)

レオポルドとローブ事件(1924)

ネイサン・フロイデンソール・レオポルド二世(当時20歳)とリチャード・アルバート・ローブ(当時19歳)の2人の裕福なユダヤ人青年は同性関係にあり、当時シカゴ大学の学生でした。

1924年の5月21日、2人はユダヤ人実業家の息子であり富裕層のボビー・フランクス(16歳)を車に呼び込み殺害。酸で顔などを損壊させ身元を分かりづらくしたうえで、シカゴ郊外の水路へ死体を隠しました。

2人はドイツの哲学者であるニーチェの提唱した超人思想(人を優れたものと劣っているものに分けるという解釈をされることがある)を信奉しており、事件はあくまでスリルを求めて行われました。

身代金要求目的の事件に見せかけるため、要求の手紙などを用意しましたが先に遺体が見つかってしまいます。身代金は一般的に誘拐された者の安全と引き換えに支払われるものなので、警察により身代金要求の事件ではないことが発覚。

遺体発見現場で遺体と一緒に発見された片眼鏡、そして手紙を作成するために使われたタイプライターがレオポルドの所属していたゼミで使われていたものと同じだったことが判明し、2人は終身刑となりました。

強迫/ロープ殺人事件 Compulsion(1956年)

マイアー・レヴィンによる1956年の小説。3年後にはリチャード・フライシャー監督により映画化されています。事件の発生から、2人の裁判までがほぼ実際の事件の内容に沿って描かれています。

ちなみにこれより前の1948年にも、アルフレッド・ヒッチコック監督により。「ロープ」という題名で映画化されています。こちらは事件にもう少し脚色やドラマ性が足されています。

サイコ(エド・ゲイン事件)

エド・ゲイン事件(1957)

アメリカのウィスコンシン州で、当時51歳のエド・ゲインが、近くに住む女性が行方不明となった件を調査するため別件逮捕されました。

警察が彼の家を操作すると、彼女の遺体がばらばらになっており、他にも15人の女性の遺体や、人間の皮膚で作ったベルトなど異様なものが数多く発見されました。実際にエドが殺害したのは2人で、他はすべて墓地から掘り起こされたものでした。

事件がこれまでに類を見ないものであったこと、犯人のエドが母親による「子供の精神へ好ましくない影響を与える」教育を受けていたことなどが世間の注目を集め、多くの作品にも影響を与えています。

サイコ(1959)

ロバート・ブロックというアメリカの小説家による小説。1960年にはアルフレッド・ヒッチコックにより映画化されました。

物語に出てくるノーマンという精神的に病んだ殺人者・モーテル経営者のキャラクターは、エド・ゲインをモデルにしたと明かされています。

2000年には、別の映画「エド・ゲイン」も制作されましたが、そちらはあまり評判がよくないようです。

フレンジー(ジャック・ザ・ストリッパー事件)

ジャック・ザ・ストリッパー事件(1964)

1964年からおよそ1年間の間に、6人の売春婦が殺害された事件。切り裂きジャック(ジャック・ザ・リッパー)の事件と類似しているため、似た名前ストリッパー(剥ぎ取り)がつけられています。

犯人の憶測はつけられていますが、確証がなく逮捕には至っていない未解決事件です。

フレンジー(1972)

アルフレッド・ヒッチコック監督による1972年の映画。Arthur La Bernによる1966年の小説「Goodbye Piccadilly, Farewell Leicester Square」が原作です。

主人公のブレイニーは、連続殺人の犯人であり友人のラスクによる巧妙な作戦で、殺人の容疑者となり追われてしまいます。一度はブレイニーを捕らえる警察ですが、捜査が進むにつれてラスクによるものではないか、という疑念が強まっていきます。

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