スタンガンを購入しようと、各種販売サイトを見て回っていると、「電圧〇〇ボルトで国内最強!」という宣伝文句を良く見かけますが、実はスタンガンの威力は「電圧」と「電流」で決まります。
電圧と電流をそれぞれ分かりやすく解説すると、以下のような意味になります。
【電圧】 電気を押し出す力、圧力
【電流】 電気の流れ、押し出される電気の量、電子の数
一般的に、スタンガンは高めの電圧・低めの電流を持ちます。電流が少なくすることで、人体に大きな被害を与えることはなく、一時的に行動不能にする程度の威力を実現しています。なお、電圧が高いと、厚着の上からでも電流が流れやすくなります。
スタンガンや、それを販売しているサイトでは電流は記載されていないことも多いです。本記事では今回、電流と電圧が公開されているモノのみを対象として威力を見ていきます。
一般家庭用のコンセントと比較してると、スタンガンの電圧の高さと電流の低さが分かります。なお、mA(ミリアンペア)はA(アンペア)の1000分の1です。
【スタンガン】
電圧: 50,000 ~ 1,000,000 V
電流: ~ 4mA
【家庭用コンセント】
電圧: 100V
電流: 最大15A
【落雷】
電圧: 200万~10億 V
電流: 1,000 ~ 200,000 A
【でんじろう先生の電気コップ実験】
電圧: 10,000 V
電流: 0.1 mA程
コンセントの電流が最大15Aとは、接続している電子機器の回路によって異なるため。例えば、20mAの電流が必要な豆電球は、100Vのコンセントへ接続する際、20mAの電流が通るよう、「抵抗」を調整された回路を持っています。
中学校の理科のオームの法則を思い出してみましょう。
電流 = 電圧 / 抵抗
スタンガンの役割は一般的に、スタンガンを空中で振りかざしてバチバチと音と光を見せつけることによる威嚇と、直接相手へスタンガンを当てる際の電撃の2つがあります。
スタンガンの電圧は、高くても4.5mAだといわれています。高すぎると殺傷性のある武器となってしまいます。万が一の状況に自身を防衛する程度の威力は必要ですが、威力が高ければよいというものではありません。安全性も重要だと言い換えても良いでしょう。
本記事も、威力の高いスタンガンの購入を進めるわけではなく、「あくまで世界にはこういうスタンガンもある」という紹介記事になります。
価格の目安 | 29,000円 |
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電圧 | ~ 1,500,000 V |
電流 | ~ 4.4 MA |
TMMという国内護身用品メーカーによるスタンガン。日本で購入出来るスタンガンとしては150万ボルト、最大4.4ミリアンペアとかなり本格的です。見た目もかなりゴツめで、威嚇するにはピッタリの製品。
S-315は手持ちの一般的にイメージするスタンガンですが、S-170という警棒タイプ(バトンタイプ)もあります。
価格の目安 | 3.860円(1$ = 110円) |
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電圧 | ~ 2,000,000 V |
電流 | ~ 4.5 MA |
海外のRuntというメーカーによるスタンガン。電圧・電流共にS-315を上回っています。形・見た目はS-315ほどゴツくなくてコンパクトサイズであるにも関わらず、威力は高いというスタンガンです。
Amazonというネットショップの海外版(Amazon.com)では35のレビューが集まっており、評価は4.5/5と購入者は概ね満足している様子でした。
懐中電灯としても機能します。夜中のウォーキングなどの相棒に最適ですね。
価格の目安 | 5,500円(1$ = 110円) |
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電圧 | ~ 3,700,000 V |
電流 | ~ 4.5 MA |
バラクーダというメーカによるスタンガンで、こちらも海外製品。電流は4.5MAでありRuntと同じですが、電圧は紹介した3つの中で最も大きい370万ボルト。
バラクーダによるスタンガンはそれぞれ魚の名前が付けられており、最も威力の高い本製品が「Shark」(鮫)。こちらより威力の弱いスタンガンが「Piranha」(ピラニア)、そしてLEDの懐中電灯にスタンガンが搭載されたモデルは「Stingray」(えい)となっています。
なお、Barracuda(バラクーダ)も魳(かます)という大型の魚のことです。
Twitter上ではタイタンというメーカーのGB8(スタンマスターと呼ばれることもある)が人気のようです。国内最強と言われているようです。電圧775,000Vと公表されていますが、電流が不明なため、本記事ではランクインしませんでした。