車上荒らし対策を見ていく前に、まずは車上荒らしの目的を確認しましょう。
車上荒らしの目的は、ほとんどが「お金」です。
窓から車内の様子を伺い、金目のものが発見できれば、何らかの形で車内へ侵入しそれを盗みます。財布やカバンは、窃盗対象の最も代表的なものです。現金を抜き取られるならまだしも、たいていのばあい財布ごと・カバンごと持ち去られてしまうため、免許証やクレジットカードなど、後々の手続きが非常に面倒です。
そのほか、ゴルフ用品やパソコン、高級アクセサリーなども窃盗の対象となります。これらはリサイクルショップやネットオークションなどで売りさばかれ、現金化されます。
中には、犯行そのものに楽しみを感じる者もいるようです。自身の手口の鮮やかさに惚れたり、スリルを感じるために辞められなかった、という実例があります。
詳しくは、下部のマイナスドライバーについての箇所をお読みください。
次に、過去に起きた事例から車上荒らしによく採用される手口を紹介します。
工具などを使って、運転席・助手席の鍵をこじ開けて車内に侵入するパターン。
窓が開きっぱなしになっていたり、鍵を閉め忘れたりしていたら、そのような手間も無しに車中へ侵入されてしまいます。
車の窓ガラスを割り、社内へ侵入して金品などを持ち去るという手口です。最も多い手口といえるでしょう。
2017年に大阪府で逮捕された2人は、ドライバーを使って車のガラスを割るという手口で、およそ1044万円分もの被害額を生み出していました。
そもそも車を勝手に運転して持ち去ってしまうパターン。実際に芸能人の方でも被害に遭った方がいるようです。実例は、記事下部の芸能人が遭った被害の箇所で紹介しています。
ドアを開き、車に乗り込んているところへ現れ、武器を持って金目の物を出すよう強迫する強盗のような手口もあります。
2004年に東京都で、マイナスドライバーとカッターナイフを車へ隠し持っていて、その正当な理由が無かったため、被告人が逮捕、懲役10カ月(執行猶予3年)の判決を受けました。
2003年の7月3日、マイナスドライバーのみを使った車上荒らしによる衝撃の被害額が警察により明らかとされました。
その発表によると、2002年12月に車上荒らしで現行犯逮捕された2人は、2000年8月から逮捕される2002年12月までの間に、茨城県を中心としておよそ350の車上荒らしをはたらき、被害額は約5000万円ほどとのこと。
ドアのカギをマイナスドライバーを使って開錠するという手口で、取り調べによると、どんな鍵でもすぐに開けられるようになり、そのうちその作業自体が楽しくてやめられなくなった、と話しているとのことでした。
それでは、車上荒らしを防ぐ対策法を見ていきましょう!
基本的ですが、車から離れる際はどんなに少しの間だけだとしても、窓・鍵をしっかり閉めて、貴重品は持ち歩くようにしましょう。
まずはこれが基本です。習慣にしてしまえば無意識に出来ます。
むしろこれをしないと、他の防犯対策をしてもほとんど意味がありません。
車に車上荒らし対策の防犯グッズを設置するのもおすすめです。候補としては以下のようなものがあります。
・ドライブレコーダー(車載カメラ): 交通事故発生時のトラブルなどを防ぐために車に搭載するカメラ。基本的にはフロントガラス側へレンズを向けた状態で設置されます。自分が撮影されるのを嫌う不審人物は、カメラが搭載されている車を嫌います。また、怪しい様子の人物が映っていれば、逮捕の手掛かりとなるでしょう。
・防犯フィルム: 一般的に使われているフィルムや、窓の耐久性を高める防犯フィルム。車内の様子を伺いにくくする効果もありますし、DIYで貼り付け可能です。ただし、車検に通るためには車の窓の「可視光線透過率」70%以上でないといけません。その点は注意しましょう。
・アラーム: 車のダッシュボードなどに設置し、衝撃を感知してサイレンを放つアラーム。車に備え付けの盗難防止アラーム(キーレスの車で、ボタンを押して開ける以外の方法でドアを開けた場合に音が鳴り、エンジンをかけると鳴りやむあれ)と違い、窓ガラスを割られた場合などでもサイレンがなります。
車を停める場所を屋内駐車場にしたり、シャッター付きの車庫にするのもおすすめです。また、車庫などに防犯グッズを設置するのも効果的です。
・人感センサー: 人の動きを感知すると、スマホなどへ通知してくれるセンサー。
・防犯カメラ: 犯行の様子を映像に収めることが出来る。
人感センサーや防犯カメラがセットになった、スマホアプリ1つで管理できるホームセキュリティが最もオススメ。ネット(wifi)接続可能な環境である必要はありますが、警備員が常駐する防犯システムと違い、毎月の固定費はかかりません。