警棒は、警察官や警備員が不審者や侵入者等を取り押さえる時に用いるこん棒で、日本では、警察官が使用する警棒の規格を長さ65cm以下、直径3cm以下、重量320g以下と定めています。
一方、警備員の場合は、長さ30~90cmで、長さに応じた重量制限(最大重量460g)を設けています。
伸縮可能な警棒は特殊警棒と呼ばれれています。ただし、厳密には「特殊警棒」という名称はノーベル工業の商標登録名であり、伸縮式警棒のように呼ぶべきですが、業界では特殊警棒と呼ぶのが一般的になっています。
また、警棒よりも一回り長い、機動隊などが使用する武器は警杖と呼び、警備員が持つ警杖は警戒杖と呼ばれます。
警棒は護身目的の武器であり、法律的には護身用具に属します。つまり、銃刀法適用外で警棒の購入・所有は合法です。また、正当防衛、緊急避難のための使用も許されています。
ただし、警棒を携帯することは、軽犯罪法に触れる可能性があります。以下で警棒に関するルールを詳しく見ていきましょう!
軽犯罪法の規定では、正当な理由なくして人の身体を傷つけたり、生死を脅かす物を携帯してはいけないとしています。
ここで重要なのが「正当な理由」の有無。例えば野球の試合に出場するためにバットを携帯する事は正当な理由がありますが、町で買い物をする時にバットを持つのは正当な理由がないので軽犯罪法に抵触します。
日本の法律では、護身のために武器を携帯する事を禁じていますので、警棒を所持した状態で職務質問されると最悪の場合逮捕される事もあります。
以上のことから、一般の方が警棒を持って外を出歩く事は控えた方が良いでしょう。
警備員は法律的には一般の方と違いはなく、警棒を携帯することは認められていません。しかし、現金輸送や身辺警護など、明らかに警棒の必要性が高く、所持する事に正当な理由が認められる場合は、携帯する事が可能。
ただし、携帯できる警棒は都道府県公安委員会に事前に届出したものに限り、違反すると30万円以下の罰金が科せられます。
警棒は、正当防衛、緊急避難が認められる場合の時のみ、その使用が認められます。しかし、警棒は刃物などに比べると殺傷力は劣りはするものの、使い方次第では人の命を奪ってしまう可能性があります。
そのため、警備会社などでは、実際に使用する際は顔への打撃はご法度で、手や足など致命傷にならない箇所を中心に打撃するよう教育されます。
過剰防衛だと判断されると、法で罰せられますので、ご使用の際は細心の注意を払わなければなりません。
警棒を使用するにあたって、最も大切な事は「護身目的」である事を忘れない事です。なぜなら、使い方を誤ればあなた自身が罪に問われてしまうからです。頭など致命傷になりうる場所への打撃は絶対に行ってはいけません。
以下で警棒護身術の技の概要を紹介しておきます。もし警棒護身術に興味があるのであれば、そのようなレッスンを提供している道場がありますので、探してみて下さい。
警棒護身術には、主に以下の4つの技があります。
・打突技
・よけ技
・解き技
・関節技
警棒の最も基本的な攻撃手段。あくまで護身であり相手の動きを止める事さえできれば良いので、全力で思いっきり叩くのではなく、軽めの力で足などを中心に狙います。
警棒を用いた戦闘での相手の攻撃のかわし方。警棒で相手の攻撃を弾いたり、片手で相手の攻撃をさばきながら警棒で攻撃するというスタイルがあります。
警棒を相手に握られた場合にその手を振りほどく技。力の無い人でも「てこの原理」を応用した技で楽に相手の手を解く事ができます。
一般の方は、取り押さえる事を目的としないので、上記3つの技を押さえておけば十分でしょう。
警棒を利用した関節技がいくつか考案されています。関節技は、不審者を取り押さえる事を目的として使うものであり、警備業務に携わる人には必要不可欠。一方、一般の方が暴漢に襲われたりする場合は、相手を制圧する必要は無いので、必ずしも必要ありません。
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