さすまたは、1.5~3m程の棒の先にU字型の器具が取り付けられた、犯罪者等を捕獲するために用いる防犯器具です。
柄が長いので、刃物や鈍器を持った相手と一定の距離を取り、かつ相手を傷つける事なく制圧する事ができますが、飛び道具を所持した相手にはあまり有効ではないという弱点があります。
さすまたは、江戸時代にも犯罪者の捕獲時に利用されていましたが、火消(今でいう消防団)の方々にも重宝されました。
なぜなら、江戸時代の消火活動では、今のようにホースで水や消火剤を散布する代わりに、燃える物を取り除くといった方法を行っており、燃えている近隣の建物を破壊して取り除くのにさすまたが便利だったからです。
その名残として、消防署の地図記号は今現在でもさすまたが採用されています。
日本では、主に以下のような場所で導入されています。
・学校
・警察
・介護施設
・スーパー
・警備会社
・駅
・新幹線
もちろん、あなたのお店や事務所、お家にさすまたを常備するのも良いでしょう。ただし、さすまたは複数人で使うのが原則で、購入するのであれば2本以上となります。
さすまたは一対一の場面ではあまり意味がありません。なぜなら、犯人の方が力が強い場合、逆に犯人に押し返されたれてしまい、最悪さすまたを奪い取られてしまう場合もあるからです。
さすまたは原則複数人で制圧するための道具である事を忘れないようにしましょう。
暴漢が現れた時、すぐにさすまたで対抗する事は止めるべきです。なぜならさすまたで応戦するといたずらに相手を興奮させてしまう恐れがあるからです。また、応戦する事で怪我のリスクも高まります。
闘わずに済むのであればそれがベスト。まずは周囲の人々に注意を喚起し、避難させる事が先決です。どうしてもそれが叶わないのであれば、さすまたで相手の動きを止め、その間に警察に通報しましょう。
相手からの反撃を避けるために、出来るだけ柄の端の近くを持つようにします。構えは利き腕で前方を持ち、もう片方の手は、肩幅よりもやや広い位置で持ちます。
さすまたで相手を制圧する方法は、壁や角に追い込む「追い込み」と相手を倒して地面で取り押さえる「取り押さえ」の二つがあります。
追い込みの場合は、とにかく全力で相手を押して制圧します。ポイントは、一方向から攻めるのではなく、様々な方向から複数人で攻める事です。そうすることで相手を取り逃がす確率がぐっと減ります。
取り押さえは、相手が外に逃げた場合など、周囲に壁がない状況で効果的です。取り押さえるためには、相手を横に倒す必要があります。そこで、相手上半身を抑えつつ、別の人が相手のすねや膝裏など下半身を中心に攻めると良いでしょう。
さすまたは一目につかない場所に保管するべきです。さすまたを見せる事で犯罪抑止効果があるのでは?とお考えの方もいると思いますが、侵入者に奪われてしまうリスクも考えるべきです。
仮に警告目的でさすまたを常備している事を侵入者に伝えたい場合は、張り紙やポスター等で知らせるのが良いでしょう。
ホームセンターや、楽天、Amazonといった大手ECショップ、防犯器具専門店などで入手することができます。
ただし、一部商品は、悪用されることを防ぐために、一般の方に販売していなかったり、購入時に使用目的を尋ねられる場合があります。