世界で起きた恐怖の監禁事件【3選】10年監禁・ストックホルム症候群・闇の組織

アメリカやオーストラリア、イギリスなどで起きた誘拐・監禁事件の中でも極めて悪質なことで話題となった事件を紹介します。この記事が防犯やセキュリティについて考える機会となれば幸いです。

本記事の要約

その内容のひどさで世界を騒がせた監禁事件があります。本記事ではそれらを出来るだけ詳しく紹介していきます。

紹介する3つの監禁事件


・【アメリカ】クリーブランド事件(2013)

・【オーストリア】少女監禁事件(2006)

・【イギリス】ブラック・デス事件(2017)

【アメリカ】クリーブランド事件(2013)

アメリカのオハイオ州、クリーブランドで女性3名が10年もの間監禁されていた事件。期間の長さと、男性の行いのひどさから、監禁事件の中でも特に有名です。

犯人のアリエル・カストロ(逮捕当時52歳)はスクールバスの運転手(2012年に勤務態度の悪さを理由にクビ)で、地域の仲間とバンド活動なども行っていました。社交的な性格でしたが、1993年には妻への暴力で逮捕、1996年には妻が子供を連れて家を出ていくなど、暴力性のようなものの片鱗はあったようです。

女性3名を監禁

【↑】被害者の自伝

2002年から、女性3名を誘拐し自宅地下室へ監禁しはじめます。なおいずれの被害者もカストロ容疑者と同じ地域の住人(自宅から約5km)で、捜索ボランティアへは当の本人んも参加していたとのこと。


1人目: ミシェル・ナイト(当時20歳)2002年8月23日

2人目: アマンダ・ベリー(当時16歳)2003年4月21日

3人目: ジーナ・デジーザス(当時23歳)2004年4月2日


3名の女性は2013年の5月6日に3名は保護されました。なお、ジーナさんは、カストロ容疑者の娘の親友だったとのこと。

子供の出産と脱出

カストロは、女性3名へひどい暴行・虐待を行っていました。しかし、犯行がばれないように徹底していたこと、怪しい物音を聞きつけた近隣住民による通報が数回あったにも関わらず警察が厳しく調査しなかったことから、10年もの間悲劇は続いてしまいます。

ミシェルさんは幾度か妊娠しましたが、暴行により全て流産。アマンダさんは妊娠、そして出産しました。

そして子供が6歳となったとき、そしてカストロが外出している際、アマンダさんは家の鍵がかかっていないことに気付きます(普段は外側から錠などがされていた)。これまでもこのようなことがありましたが、それは実はカストロが仕掛けた罠だったこともありました。怯えながらも外へ向かって助けを呼ぶと、それに男性が気付き、警察へ通報。

カストロ容疑者はマクドナルドで兄弟の1人と食事をしていたところを逮捕されました。

事件のその後

カストロ被告は2013年の8月に977件の罪を理由に、仮釈放なしの終身刑、そして禁固1000年の刑を宣告されました。死刑とならなかった理由は、司法取引に応じたためです(おそらく犯行を自供した)。

刑務所の独房に収容されていました、2013年の9月3日、首つり自殺している姿が確認されました。病院へ搬送されましたが、助からなかったとのこと。

アマンダさんとジーナさんはもとの家へ帰宅。2人で本を出版しました。ミシェルさんはもともと比較的弱い知的障害を持っており、実の家族からも誘拐前に虐待を受けていたため(ミシェルさんの双子の兄弟も16歳の時に家を追い出されている
)自宅には戻らず、ジーナさん宅を訪れ、ジーナさん家族が生活の手助けをしているそうです。

【オーストリア】少女監禁事件(2006)

当時10歳のナターシャ・カンプシュさんは、1998年3月2日に通学途中のところを誘拐されました。その日から3069日間、犯人の家の狭い地下室へ監禁されます。犯人は部屋のドア・窓には爆発物がある、家族はお前のことを覚えていない、などと言い聞かせ、逃げ出せないようにしました。


そして、およそ8年後の2006年8月23日に犯人の男の家から脱出。

犯人のヴォルフガンク・プリクロピルは、彼女が警察へ保護されてから数時間後に、線路に飛び込み自殺しました。

なお、警察は操作の際にプリクロピルへ容疑をかけたこともありましたが、「証拠があった」として逮捕には至らなかったとのこと。

ストックホルム症候群とは

発見から5日後に発表した声明文で、彼女は、地下室での生活はそこまでひどいものではなかったという旨を述べました。充分な食事は与えてもらっていませんでしたが、ひどい暴力などは行われなかったとのこと。

これが、ストックホルム症候群(人質にされたり、監禁されるなどして犯人と長い期間を過ごす間に、犯人への仲間意識・同情が生まれる)として話題となりました。

しかし、彼女自身は、ストックホルム症候群ではなく、犯罪者とのコミュニケーションを通して、状況を合理化することは、生き残るために必要不可欠なことである、と自身の考えを述べています。

犯人が自殺したと聞いたときは涙を流したとも語っています。

事件のその後

2010年9月には事件をつづった本を出版。その中で、彼女が18歳になったとき、男へ開放してほしいと伝えたこと。そして、男がそれへ応じたかのように、家の庭へ彼女を残したまま、1人家の中でなっている電話を取りに行ったことなどを述べています。

【イギリス】ブラック・デス事件(2017)

当時20歳のイギリス人モデルChloe Aylingさんは、2017年の7月11の撮影の仕事のためイタリアにある廃墟を訪れていました。

しかしその現場で黒ずくめの男2人に襲われます。1人が彼女を抑えている間に彼女へ薬品を注射。そのまま意識を失います。目覚めると、旅行カバンに入れられ手錠をかけられていたとのこと。ある屋敷に運ばれ、逃げ出さないよう監視されていました。

誘拐犯は彼女の所属する事務所へ身代金(およそ3300万円)を要求したうえで、彼女を闇サイトのオークションへ出品してしまいます。

突然の解放

しかし、まだ身代金が払われていない6日後、メンバーの1人にミラノのイギリス領事官へ連れていかれ解放。

ヘルバというポーランド人のその男はそのまま逮捕されます。彼は闇のオンライン組織「ブラック・デス」のメンバーでした。ブラック・デスには子供がいる女性を誘拐してはいけないというルールがあったにもかかわらず、クロエさんは誤って誘拐されたとのことで開放されたそうです。

闇の組織「ブラック・デス」とは?

ブラック・デスはダークウェブと呼ばれる、普段一般的に使われているようなChromeなどではアクセスできないサイトが存在するインターネット。ブラック・デスはそこで非合法活動を行っているようですが、詳しいことは明らかとなっていません。

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