本記事では、日本における孤独死のデータから見えてくること・知っておきたい以下の3つを分かりやすくまとめました。
・孤独死の件数は増加傾向にある
・一人暮らしの高齢者(60歳以上)世帯も増加傾向にある
・一人暮らし高齢者の4割は孤独死を身近な問題であると捉えている
なお、ほとんどの場合、「一人暮らしで自宅で亡くなっており、死後24時間経過してから発見された、事件性のないケース」が孤独死・孤立死として扱われています。
いくつかの自治体が、事件性のない、一人暮らしの人の自宅での死を扱った件数を記録し、公開しています。「東京23区」と「沖縄県那覇市」の統計の2つを例としてみてみましょう。
東京都監察医務院は、毎年「23区内で東京都監察医務院で取り扱った自宅住居で亡くなった単身世帯の者の統計」を発表しており、年齢・性別・世帯分類ごとに統計がとられています。
2018年のデータは2019年にならないと発表されないため、2017年を含む過去6年間における「単身世帯のの孤独死した65歳以上」のケースを見てみましょう。以下のようになっています。
2017年 | 3319人 |
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2016年 | 3175人 |
2015年 | 3116人 |
2014年 | 2885人 |
2013年 | 2869人 |
2012年 | 2727人 |
年が経過するにつれ孤独死の件数は増加していること、2017年が過去6年間で最大数の孤独死が発生ていることが分かります。
南の沖縄県最大の都市「那覇市」でも、新聞2社が孤独死について報じていました。那覇市市議会の発表によると、2011年から2012年にかけて65歳以上高齢者の孤独死件数は41件増加、倍増していたそうです。
3年間合計154人(男91、女63)
2010年 | 33人 |
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2011年 | 40人 |
2012年 | 81人 |
少し古い情報ですが、東京23区と共通している点は新しい年になるにつれて孤独死の件数が増えているということです。
「日本は高齢化社会だ」とよく言われていますが、実際2010年には2924万人だった65歳以上人口は2015年にはおよそ400万人増しの3347万人に達しました。
内閣府が2018年に発表した「高齢社会白書」では、2035年にはその数は3782万人に達すると予測されています。
「核家族」などの多様な家族の在り方も普及しており、高齢化社会と相まって一人暮らし高齢者の数も増えていく、と国立社会保障・人口問題研究所は予測しています。
2015年には625万世帯であった65歳以上の単身世帯数。なんと、東京オリンピックのある2020年には702万、そして2035年には841万へ達すると見込まれているとのこと。
内閣府による「高齢者の健康に関する意識調査」(平成24年版)によると、一人暮らしの60歳以上の高齢者の40%以上が孤独死を身近な問題としてみているとのこと。一方、家族と一緒に住んでいる60歳以上の高齢者も含んだ全体はそのうち17%が孤独死を意識しています。
1人暮らしなので意識せざるを得ないのでしょう。あまり感じないという方々は離れて住んでいる家族とのコミュニケーションがうまくいっていたり、健康問題を抱えていないものだと推測されます。
とても感じる | 4.2% |
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まあ感じる | 13.1% |
あまり感じない | 35.6% |
まったく感じない | 44.5% |
わからない | 2.6% |
とても感じる | 14.6% |
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まあ感じる | 30.8% |
あまり感じない | 27.8% |
まったく感じない | 22.7% |
わからない | 4.0% |
孤独死自体は別に悪いことではなく、その状況に直面するかもしれない本人たちも、誰にも迷惑を掛けないほうがいい、と思っていることがあります。
しかし、残される遺族としては家族をきちんと看取ってやりたい気持ちもあるはずです。人感センサーやビデオ通話などの技術で、今は離れていても簡単にコミュニケーションを行える時代。ツールを駆使して、後悔のないよう繋がりを維持しましょう。